早期発見なら負担の少ない治療ができる

日本のがん検診の受診率は、コロナ前でも40〜50％と低かったのが、コロナの流行によりさらに低下していることが報告されています。
がんの早期発見・早期治療を目指し、必要ながん検診は欠かさず受けましょう。

コロナ禍でがんの診断件数が減少。
進行がんでの発見がふえる恐れも。
いま、日本人の2人に1人が生涯に「がん」を患い、3人に1人が 「がん」で亡くなるほど、がんは身近な病気です。

以前は不治の病と思われていましたが、現在は早期の胃がんや大腸がんなら90％以上、早期の乳がんなら治るといわれています。
ただし、早期の段階では自覚症状はまず出ないので、早期にがんを発見するには検診を受けるしかありません。

日本対がん協会は、日本癌学会をはじめとするがん関連の3学会と全国の486施設に協力してもらい、新型コロナウィルスの感染拡大があった２０２０年と、まだコロナの影響がなかった２０１９年のがん診断件数を調べました。

その結果、２０２０年は国が推奨するがん検診の対象でもある5つのがん（胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん）と診断される人が全体で9.2％減少したことがわかりました。

また、国立がん研究センターが全国の診療連携拠点病院などを対象に調べた結果では、２０２０年に新たにがんと診断された人は２０１９年と比べて約6万人減ったことが公表されました。
どちらもコロナ禍により、がん検診の一時中止や、受診控え・外出自粛などで、がん検診を受ける人や通院する人が減ったことが影響しているとみられます。

「新型コロナの感染を心配して、がん検診やその後の検査を受けそびれているうちに、がんが進行してしまうケースが実際に見られます」とある病院長は話します。

早期発見できれば、治療の選択肢が広がり、治しやすい

がんの多くは、進行すると発生した場所、大きさにとどまらずに近くにある臓器や組織まで広がっていく浸潤や、血液やリンパ液に乗って離れた臓器への転移をおこします。

がんが進行していると、大きな手術や抗がん薬の使用などからだに負担がかかる治療が必要になります。

一方、早期に見つけて治療を開始できれば治療の選択肢が広がり、からだに負担の少ない治療も可能です。
がん検診を定期的に受けることで、自覚症状が出る前の早期がんを見つけて治療につなげ、がんによる死亡率を下げることができます。

しかし、早期発見に欠かせないがん検診の受診率はコロナ前の２０１９年でも40〜50％にとどまっており、２０２０年以降はさらに低下しているとみられます。

＜主な内容＞

*ポリープが「がん化」する場合がある

*�T期なら約95％が治るが�W期では約19％に

*まずは、からだに負担のない「便潜血検査」を受けて

*便潜血検査

*大腸内視鏡検査

*早期の病変なら内視鏡で切除できる

-----第2号-----
「大腸がんを見つける！治療する！」

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